環境教育プログラム in 御蔵島


 御蔵島について

神の宝の澄む島

巨樹350本、イルカ134頭、島民280人の島、御蔵島。
島を覆い尽くす緑と巨樹が水を貯え、
その水が湧き水として出で海に流れる。
その海をイルカは子育ての海に選び、
そして暮らしている。

豊富な水・海に落ちる滝

御蔵島は伊豆諸島随一の水の豊富な島です。太古からの森は自然の貯水池となっています。島の随所から湧き出る水は、沢・川となって島の崖を滝となって流れ落ちます。写真右の「白滝(しらたき)」は、海に落ちる滝の中でも、もっとも見事なもので、その清冽な眺めは、他では感じがたい清涼感を与えてくれます。 

また、村はこの豊富な水をミネラルウォーター「御蔵の源水」として製造し、農業協同組合で販売しています。



断崖に囲まれた島

島の周囲は、長い年月の風雨にさらされ、荒波に削りとられて、切り立った断崖となっています。

村落前の断崖が一番低く約40メートル、南西部、黒崎高尾山頂から南に少し下ったところでは、その高さが480メートルにも達しています。

海面から一気にそそり立つこの黒崎高尾の海蝕崖は、日本一とも東洋一ともいわれるスケールで、雄大な自然の姿に人を寄せ付けぬ厳しさを感じさせます。


イルカの住む島



写真:御蔵島イルカ協会
御蔵島の沿岸では一年中イルカの群れをみることが出来ます。

子連れのイルカもいることから、御蔵島はイルカの繁殖場所となっていると推測されます。

 野生のイルカですが、一緒に泳げるため、近年注目を集め、島に訪れる人も増えています。
 
御蔵島のイルカについてくわしく知りたい方は、御蔵島イルカ協会のホームページへ



オオミズナギドリ 最大の繁殖地

御蔵島は、保護鳥オオミズナギドリの 最大の繁殖地といわれています。

オオミズナギドリは島では「カツオドリ」と いわれています。カツオの大群の上を飛ぶ ので、こう呼ばれるようになったようです。

昔は、島の貴重なタンパク源として、捕獲 されてきましたが、現在は食用とされること はなく、切り立った断崖をゆうゆうと飛ぶその姿は、御蔵島ならではの景観となっ ています。



御蔵島でしか見られない生き物達

御蔵島は太古の自然ののこっている島です。 昆虫も御蔵島にしかいないもので「ミクラ」の名 がつくものが数多くあります。写真の「ミクラミヤ マクワガタ」もそのひとつで、他に有名なものとして、「ミクラビロードカミキリ」や「ミクラクロヒカゲ」がいます。

なお、村ではその貴重な生き物達を保護するため、島の動植物全てについてその採集を禁止しています。

巨樹・銘木の島

島全体が緑で覆われておる御蔵島は、 巨樹・銘木の宝庫でもあります。

写真のツゲは、古くから御蔵島の産業の 中心をなしてきました。特に江戸時代中期 にはツゲの横櫛が江戸で流行し、島の経済 を潤しました。 

現在でも、将棋の駒・印鑑等の最高級品には御蔵島のツゲが多く使われています。

また、クワも有名で、大正天皇と昭和天皇の御即位の際の東京都の贈呈品には、御蔵島のクワが使用されました。そして、近年日本一のスダジイが発見されるなど、巨樹が多いことでも注目を集めています。



麗しの香り ニオイエビネラン

エビネの女王ともいわれる「ニオイエビネラン」。御蔵島が原産地といわれ、3月下旬から4月にかけ  て花をつけますが、その可憐な花、芳しい香りはマ  ニアの垂涎の的となっています。

一時のブームの際の乱獲により、ほとんど自生している姿を見ることはなくなりましたが、村ではわず  かに自生していたニオイエビネランを1カ所に集め、 保護しながら増殖栽培に力を入れています。


御蔵島概要
御蔵島は、東京都伊豆諸島に属し、東京の南南西に約200キロ、 黒潮本流の真っ只中にあります。 周囲は16,92キロ、面積は 20.58キロのほぼ円形の島で周囲は50メートルから480メートル におよぶ絶壁で、海上に浮かぶその姿はちょうどおわんを伏せたよ うな特徴のある形をしています。
 
 中央に御山(851メートル)があって、島全体が急峻な地形をもった一種の山岳の様相を呈し、御山に源を発する河川が発方に流れ、 中でも平清水川(川口の沢)、大島分川(川田の沢)は水量が豊富  です。多雨温暖な海洋性気候、肥沃な土壌とともに植物の成育には好適な条件を備えていますが、冬季は大陸性気候による西風が吹き荒れ、北西向きの斜面および山頂部は強風の影響を大きく受けます。有史以来、一度も噴火活動がなく一部の農耕地、居住地、植林地および山頂部の笹原を除く全島、全山のほとんどは、ツゲ、クワ、ツバキ、シイ、ヤマグルマ、カクレミノなどの美しい森林でおおわれ緑の島となっています。
写真・文章 著作権:御蔵島村公式ホームページ

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